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肺炎の咳と熱その特徴と治療法
咳と熱が長引く場合に、特に注意が必要な病気の一つが「肺炎」です。肺炎は、肺の中の肺胞(はいほう)という小さな袋状の組織に炎症が起こる病気で、細菌やウイルス、あるいは稀に真菌(カビ)などが原因となります。肺炎の症状は、原因となる病原体や、患者さんの年齢、健康状態などによって異なりますが、一般的に見られる特徴的な症状があります。まず、咳です。初期は乾いた咳(コンコンという咳)でも、進行すると黄色や緑色がかった膿性の痰を伴う湿った咳(ゴホンゴホン、ゼロゼロという咳)に変わることが多いです。この痰は、細菌やウイルスと戦った白血球の死骸などが含まれているため、色が付いています。次に、発熱です。多くの場合、38℃以上の高熱が持続します。悪寒や震えを伴うこともあります。解熱剤を使用してもなかなか熱が下がらない、あるいは一旦下がっても再び上昇するといった経過をたどることがあります。さらに、**呼吸困難(息切れ、息苦しさ)**や、胸の痛み(特に深呼吸や咳をした時にズキッとするような痛み)といった呼吸器症状も、肺炎の重要なサインです。その他、強い倦怠感、食欲不振、頭痛、筋肉痛、関節痛といった全身症状も現れることがあります。肺炎の治療は、原因となる病原体によって異なります。細菌性肺炎が疑われる場合は、抗菌薬(抗生物質)の投与が基本となります。原因菌を特定するための検査(喀痰培養など)を行い、効果的な抗菌薬を選択します。医師の指示通り、処方された期間、必ず最後まで服用することが重要です。ウイルス性肺炎の場合は、インフルエンザウイルスなど一部のウイルスを除いて特効薬がないため、基本的には対症療法(安静、水分補給、栄養補給、解熱鎮痛剤や咳止めなど)が中心となります。非定型肺炎(マイコプラズマ肺炎など)の場合は、それぞれの病原体に効果のある抗菌薬が使用されます。重症の場合や、呼吸状態が悪い場合は、入院治療が必要となり、酸素吸入や点滴などが行われます。