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帯状疱疹による肋間神経痛何科で治療?
肋間神経痛の原因として、意外と見落とされがちなのが「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」です。帯状疱疹は、水痘(みずぼうそう)と同じウイルスである「水痘・帯状疱疹ウイルス」が、体内に潜伏していたものが、加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下した際に再活性化して発症する病気です。この帯状疱疹が、肋間神経に沿って発症すると、激しい神経痛(肋間神経痛)を引き起こすことがあります。帯状疱疹による肋間神経痛の特徴は、まず片側の胸や背中、脇腹などに、ピリピリ、チクチクとした神経痛が先行して現れることです。この痛みは、数日から1週間程度続くことがあります。そして、痛みのあった部位に、**赤い発疹や小さな水ぶくれ(水疱)**が帯状に現れます。この発疹は、通常、体の左右どちらか一方にしか出ません。発疹は、水疱となり、やがて破れてかさぶたとなり、2~4週間程度で治癒していきます。しかし、皮膚症状が治った後も、神経痛だけが長期間残ってしまうことがあり、これを「帯状疱疹後神経痛」と呼びます。これは非常につらい痛みで、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。では、帯状疱疹による肋間神経痛が疑われる場合、何科を受診すれば良いのでしょうか。まず、皮膚に発疹や水ぶくれが出ている場合は、皮膚科を受診するのが基本です。皮膚科医は、特徴的な皮疹から帯状疱疹の診断を下し、抗ウイルス薬の処方や、皮膚症状に対する塗り薬などを処方してくれます。抗ウイルス薬は、できるだけ早期(発疹出現後72時間以内)に開始することで、症状の重症化や帯状疱疹後神経痛への移行リスクを軽減する効果が期待できます。痛みが非常に強い場合や、発疹が治った後も痛みが続く帯状疱疹後神経痛の場合は、ペインクリニックの受診も有効です。ペインクリニックでは、神経ブロック注射や、神経障害性疼痛治療薬、抗うつ薬、抗けいれん薬などを用いて、痛みのコントロールを行います。早期診断・早期治療が、帯状疱疹による肋間神経痛の苦痛を和らげ、後遺症を防ぐためには非常に重要です。