耳たぶのしこりができたり消えたり…その正体は?


ふと耳たぶを触った時に、コリコリとした小さなしこりに気づくことがあります。そして、いつの間にかそのしこりが小さくなったり、消えてしまったり、またしばらくすると同じような場所に再び現れたり…。このように、できたり消えたりを繰り返す耳たぶのしこりは、一体何なのでしょうか。最も一般的に考えられるのは、「粉瘤(ふんりゅう)」または「アテローム」と呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に本来は剥がれ落ちるはずの角質(垢)や皮脂が溜まってしまうことで形成されます。耳たぶは、皮脂腺が多く、毛穴も存在するため、粉瘤ができやすい場所の一つです。粉瘤の初期は、小さなしこりとして触れる程度で、特に痛みやかゆみはありません。しかし、袋の中に角質や皮脂が溜まり続けると、徐々に大きくなることがあります。そして、何らかのきっかけで袋が破れたり、細菌が感染したりすると、炎症を起こし、赤く腫れたり、痛みを伴ったり、時には膿が出てきたりします。炎症が治まると、しこりが一時的に小さくなったり、消えたように感じられたりすることがありますが、袋状の構造物そのものがなくならない限り、再び角質や皮脂が溜まって再発する可能性が高いのです。これが、耳たぶのしこりが「できたり消えたり」する主な理由と考えられます。その他にも、稀ではありますが、リンパ節の腫れや、脂肪腫、線維腫といった他の良性腫瘍、あるいはアレルギー反応による一時的な腫れなども、しこりとして感じられることがあります。しかし、できたり消えたりを繰り返すという特徴からは、粉瘤の可能性が高いと言えるでしょう。気になる場合は、自己判断せずに皮膚科を受診し、正確な診断を受けることが大切です。