水いぼ(伝染性軟属腫)とは?プールでの感染リスク


水いぼ、正式には伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)と呼ばれるこの皮膚の病気は、主に子どもたちに見られるウイルス性の感染症です。その名の通り、感染力があり、特に集団生活を送る保育園や幼稚園、そしてプールなどで感染が広がりやすいと言われています。では、この水いぼとは一体どのような病気で、プールではどの程度の感染リスクがあるのでしょうか。水いぼの原因となるのは、「伝染性軟属腫ウイルス(MCV)」というポックスウイルス科のウイルスです。このウイルスが皮膚の小さな傷などから侵入し、表皮細胞に感染することで、特徴的なブツブツとした「いぼ」が形成されます。いぼの見た目は、直径1~5mm程度の、光沢のある、やや盛り上がった丘疹(きゅうしん)で、中央が少しへこんでいるのが特徴です。色は、肌色か、ややピンク色をしています。中には、白い粥状(じゅくじょう)の物質(ウイルスを含んだ細胞の塊)が入っています。このいぼを掻き壊したり、潰したりすると、中のウイルスが周囲の皮膚に広がり、新たな水いぼができたり(自家接種)、他の人に感染させたりする原因となります。水いぼの主な感染経路は、直接的な皮膚接触です。感染している人のいぼに直接触れることで感染します。また、ウイルスが付着した物を介した間接的な接触によっても感染します。例えば、タオル、衣類、おもちゃ、そしてプールのビート板や浮き輪などを共有することで、感染が広がる可能性があります。プールでの感染リスクについては、プールの水そのものから感染する可能性は低いと考えられています。プールの水は塩素で消毒されているため、ウイルスは不活化されると言われています。しかし、プールサイドや更衣室での直接的な肌の接触や、ビート板、タオル、浮き輪などの共用によって、感染が起こる可能性は十分にあります。特に、肌の露出が多く、子ども同士が密接に触れ合う機会の多いプールは、水いぼの感染が広がりやすい環境の一つと言えるでしょう。