肋間神経痛は、原因によって、受診すべき診療科や治療法も異なってくるため、自分の症状や状況から、考えられる原因をある程度推測し、適切な科を選ぶことが重要です。1. 骨や筋肉、姿勢の問題が疑われる場合(整形外科) * 考えられる原因: 変形性脊椎症(胸椎)、胸椎椎間板ヘルニア、肋骨骨折・ヒビ、側弯症、猫背などの不良姿勢、筋肉の過度な緊張や炎症(ぎっくり背中など)。 * 特徴的な症状: 体を動かした時や特定の姿勢で痛みが増悪する、背骨や肋骨のあたりを押すと痛む、咳やくしゃみで響くなど。 * 受診する科: 整形外科。レントゲンやMRIなどの画像検査で原因を特定し、薬物療法、リハビリテーション、装具療法などを行います。2. 帯状疱疹が原因の場合(皮膚科、ペインクリニック) * 考えられる原因: 水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化。 * 特徴的な症状: 片側の胸や背中、脇腹に、ピリピリとした痛みの後に、赤い発疹や水ぶくれが現れる。発疹が治った後も痛みが続くことがある(帯状疱疹後神経痛)。 * 受診する科: 発疹が出ている場合はまず皮膚科。痛みが強い場合や、帯状疱疹後神経痛の場合はペインクリニックも有効です。抗ウイルス薬や痛み止め、神経ブロック注射などが用いられます。3. 内臓疾患が原因の可能性も否定できない場合(内科・循環器内科・消化器内科など) * 考えられる原因: 狭心症、心筋梗塞、胸膜炎、肺がん、胆石症、膵炎など。 * 特徴的な症状: 肋間神経痛様の痛みに加え、動悸、息切れ、胸の圧迫感、発熱、咳、腹痛、吐き気、黄疸といった、それぞれの内臓疾患に特有の症状を伴うことがある。 * 受診する科: まずは内科や総合診療科で相談し、必要に応じて専門の診療科(循環器内科、呼吸器内科、消化器内科など)へ紹介してもらいます。4. 原因がはっきりしない、痛みが慢性化している場合(ペインクリニック) * 考えられる原因: ストレス、自律神経の乱れ、原因不明の神経障害性疼痛など。 * 受診する科: ペインクリニック。薬物療法、神経ブロック注射、心理療法など、多角的なアプローチで痛みの緩和を目指します。これらの分類はあくまで目安です。自己判断は難しいため、まずはかかりつけ医に相談するか、症状に応じて上記の診療科を受診し、医師の診断を仰ぎましょう。
肋間神経痛の原因別受診する科の選び方