過眠症と言っても、どのタイプの過眠症が疑われるかによって、最初に相談すべき診療科や、専門的な治療を受けるべき科が異なってくることがあります。1. ナルコレプシー、特発性過眠症などの中枢性過眠症が疑われる場合: * 症状の特徴: 日中に耐え難い眠気が繰り返し起こる、居眠りをしてしまう、笑ったり怒ったりした時に体の力が抜ける(情動脱力発作:カタプレキシー、ナルコレプシーの場合)、寝入りばなに金縛りにあう、鮮明な夢を見る(入眠時幻覚)など。 * 受診する科: 睡眠外来・睡眠クリニック、精神科・心療内科。これらの過眠症は、脳内の睡眠覚醒リズムの調節に関わる神経伝達物質の異常などが原因と考えられており、専門的な検査(MSLTなど)による診断と、薬物療法(中枢神経刺激薬など)による治療が必要となります。2. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)による過眠が疑われる場合: * 症状の特徴: 日中の強い眠気、大きないびき、睡眠中の呼吸停止、起床時の頭痛や口の渇き、熟睡感のなさなど。 * 受診する科: 呼吸器内科、耳鼻咽喉科、睡眠外来・睡眠クリニック。睡眠中に気道が塞がれることで無呼吸状態となり、睡眠の質が著しく低下し、日中の眠気を引き起こします。終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)で診断し、CPAP(シーパップ)療法やマウスピース、場合によっては外科手術などの治療が行われます。3. むずむず脚症候群や周期性四肢運動障害による睡眠不足からの過眠が疑われる場合: * 症状の特徴: 夕方から夜間にかけて脚に不快な感覚(むずむず、チクチク、虫が這うような感じなど)が現れ、じっとしていられない(むずむず脚症候群)。睡眠中に足がピクピクと周期的に動く(周期性四肢運動障害)。これらの症状により睡眠が妨げられ、日中の眠気につながります。 * 受診する科: 睡眠外来・睡眠クリニック、神経内科。薬物療法が中心となります。4. うつ病などの精神疾患に伴う過眠の場合: * 症状の特徴: 日中の過度な眠気とともに、気分の落ち込み、意欲低下、興味の喪失、不安感、集中困難といった精神症状が見られる。 * 受診する科: 精神科・心療内科。原因となる精神疾患の治療(カウンセリング、薬物療法など)が優先されます。まずは自分の症状をよく観察し、適切な診療科を選ぶことが、早期改善への第一歩です。