なぜ耳たぶのしこりは繰り返す?できたり消えたりする理由


耳たぶにしこりができ、それが一時的に小さくなったり消えたりしたかと思うと、また同じような場所に再発する…。このような「できたり消えたり」を繰り返すしこりは、一体なぜなのでしょうか。その主な理由は、しこりの原因となっている「袋状の構造物」が、皮膚の下に残っているためです。耳たぶにできる繰り返すしこりの多くは、前述の通り「粉瘤(アテローム)」です。粉瘤は、皮膚の下に袋(嚢胞)ができ、その中に角質や皮脂が溜まってできるものです。この袋が炎症を起こすと、赤く腫れて痛みを伴い、時には膿が出てくることもあります。抗生物質の内服や、膿を排出する処置などによって炎症が治まると、しこりは一時的に小さくなったり、目立たなくなったりします。この状態を「治った」と勘違いしてしまう方もいるかもしれません。しかし、炎症が治まっても、原因となっている袋状の構造物そのものが皮膚の下に残っている限り、再びその袋の中に角質や皮脂が溜まり始め、しこりが再発するのです。これが、耳たぶのしこりが「できたり消えたり」を繰り返すメカニズムです。炎症を起こしていない状態の粉瘤は、痛みもかゆみもないため、つい放置してしまいがちです。しかし、放置しておくと、徐々に大きくなったり、何度も炎症を繰り返したりする可能性があります。炎症を繰り返すと、周囲の組織との癒着が起こり、手術で袋をきれいに取り除くのが難しくなったり、手術の傷跡が大きくなったりすることもあります。したがって、耳たぶのしこりができたり消えたりを繰り返す場合は、根本的な治療として、炎症が起きていない落ち着いた時期に、袋状の構造物ごと surgically取り除く手術(粉瘤摘出術)を検討するのが一般的です。気になる症状がある場合は、皮膚科を受診し、医師に相談することをお勧めします。