耳たぶにしこりができたり、それができたり消えたりを繰り返したりする場合、どの診療科を受診すれば良いのか迷うことがあるかもしれません。耳のトラブルなので耳鼻咽喉科?それとも皮膚の問題?と悩む方もいるでしょう。結論から言うと、耳たぶのしこりの診断と治療は、主に皮膚科の専門領域となります。耳たぶにできるしこりの多くは、前述の通り「粉瘤(アテローム)」であり、これは皮膚の良性腫瘍の一種です。皮膚科医は、粉瘤をはじめとする様々な皮膚腫瘍の診断と治療に精通しており、視診や触診、場合によっては超音波検査などを用いて、しこりの状態を正確に評価します。そして、それが本当に粉瘤なのか、あるいは他の疾患(例えば、脂肪腫、線維腫、リンパ節の腫れ、稀ですが悪性腫瘍など)の可能性はないのかを鑑別診断します。診断が確定すれば、その後の治療方針についても相談に乗ってくれます。炎症を起こしていない小さな粉瘤であれば、経過観察となることもありますが、炎症を繰り返す場合や、徐々に大きくなって見た目が気になる場合、あるいは炎症を起こして痛みや腫れがある場合には、治療が検討されます。炎症が強い場合は、まず抗生物質の内服や排膿処置などで炎症を鎮め、その後、炎症が治まった段階で、粉瘤の袋ごと摘出する手術を行うのが一般的です。この手術も、多くは皮膚科で日帰り手術として行われます。もちろん、耳鼻咽喉科でも、耳の周りの腫れ物として相談に乗ってくれる場合もありますし、特にしこりが耳の穴の近くや、耳介の軟骨部分にある場合などは、耳鼻咽喉科が適切な場合もあります。しかし、耳たぶの皮膚表面に近いしこりであれば、まずは皮膚科を受診するのが最もスムーズで専門的な対応が期待できると言えるでしょう。どちらの科を受診するにしても、気になる症状があれば早めに相談することが大切です。
耳たぶのしこり何科を受診すべき?