原因不明の肋間神経痛何科で相談?
肋間神経痛の症状があるものの、整形外科や皮膚科などを受診しても、明らかな原因が見つからない…そんな「原因不明」とされる肋間神経痛に悩まされる方もいます。このような場合、どこに相談すれば良いのか、途方に暮れてしまうかもしれません。原因が特定できない肋間神経痛の背景には、いくつかの可能性が考えられます。まず、ストレスや精神的な要因が関与しているケースです。過度なストレスや不安、抑うつ気分などが、自律神経のバランスを乱し、神経が過敏になったり、筋肉の緊張を引き起こしたりして、痛みを誘発することがあります。この場合は、心療内科や精神科への相談が有効な場合があります。カウンセリングや薬物療法(抗不安薬、抗うつ薬など)を通じて、精神的な側面からのアプローチが行われます。次に、線維筋痛症などの、まだ十分に解明されていない慢性疼痛疾患の一部として、肋間神経痛様の症状が現れている可能性も考えられます。線維筋痛症は、全身の広範囲にわたる慢性的な痛みやこわばりを特徴とする病気で、疲労感や睡眠障害、頭痛などを伴うこともあります。この場合は、リウマチ・膠原病内科や、線維筋痛症の診療に詳しいペインクリニックなどが相談先となります。また、画像検査では捉えきれない微細な神経の炎症や圧迫が原因である可能性も否定できません。このような場合、ペインクリニックでの専門的な痛みの評価と治療が有効です。ペインクリニックでは、神経ブロック注射や、神経障害性疼痛に効果のある薬剤(プレガバリン、ミロガバリン、デュロキセチンなど)を用いた治療が行われます。さらに、姿勢の悪さや、日常生活での体の使い方、あるいは特定の筋肉のアンバランスなどが、気づかないうちに肋間神経に負担をかけ、痛みを引き起こしていることもあります。この場合は、理学療法士による評価や指導、あるいは整体やカイロプラクティックといった代替療法が、症状緩和の一助となる可能性もあります(ただし、効果には個人差があり、科学的根拠が十分でない場合もあるため、慎重な選択が必要です)。原因不明の肋間神経痛に悩んでいる場合は、一つの診療科に固執せず、複数の専門家の意見を聞いたり、多角的なアプローチを試みたりすることが、解決の糸口を見つけるためには重要かもしれません。