パニック障害の治療は、医療機関での専門的な治療(薬物療法や精神療法)が基本となりますが、日常生活におけるセルフケアや注意点を意識することも、症状のコントロールや再発予防に役立ちます。まず、規則正しい生活リズムを心がけることが大切です。毎日同じ時間に寝起きし、十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。睡眠不足は、自律神経のバランスを乱し、パニック発作を誘発しやすくなります。バランスの取れた食事も重要です。特定の食品がパニック障害を直接改善するというわけではありませんが、栄養バランスの偏りは、体調不良や精神的な不安定さを招く可能性があります。特に、血糖値の急激な変動は、不安感を増強させることがあるため、甘いものの摂りすぎや、食事を抜くといったことは避けましょう。カフェインやアルコールの摂取は控えるのが望ましいです。カフェイン(コーヒー、紅茶、エナジードリンクなど)は、交感神経を刺激し、動悸や不安感を強める可能性があります。アルコールは、一時的にリラックス効果があるように感じられても、睡眠の質を低下させたり、離脱症状として不安感を引き起こしたりすることがあります。適度な運動は、ストレス解消や気分の安定に効果的です。ウォーキングやジョギング、ヨガ、水泳など、自分が楽しめる運動を無理のない範囲で継続しましょう。ただし、運動中にパニック発作が起きた経験がある場合は、医師に相談し、安全な運動方法について指導を受けることが大切です。リラクセーション法の実践も有効です。深呼吸(腹式呼吸)、漸進的筋弛緩法、瞑想、自律訓練法などを日常生活に取り入れることで、不安や緊張を和らげ、パニック発作の予防につながることがあります。そして、ストレスを溜め込まないように、自分なりのストレス解消法を見つけ、こまめに発散することが重要です。趣味の時間を持つ、友人と話す、自然の中で過ごすなど、心身ともにリラックスできる時間を作りましょう。これらのセルフケアは、治療の補助として非常に有効ですが、決して自己判断で治療を中断したりせず、必ず医師の指示に従うようにしてください。