突然の胸の痛みは、誰でも不安になるものです。それが肋間神経痛によるものなのか、それとも心臓の病気(狭心症や心筋梗塞など)によるものなのか、見分けるのは難しいと感じるかもしれません。しかし、いくつかのポイントに注目することで、ある程度判断の目安をつけることができます。そして、どちらの可能性が疑われるかによって、受診すべき診療科も変わってきます。肋間神経痛の痛みの特徴: * 痛む場所: 主に片側の胸や背中、脇腹など、肋骨に沿って痛むことが多い。痛む範囲が比較的限定されている。 * 痛みの性質: 電気が走るような鋭い痛み、ズキズキ、チクチク、ヒリヒリとした痛み。 * 痛みの誘因・増悪因子: 深呼吸、咳、くしゃみ、体をひねる、特定の姿勢をとるなど、体の動きによって痛みが誘発されたり、強まったりすることが多い。痛む場所を押すと痛みが強まる(圧痛)こともある。 * 持続時間: 数秒~数分で治まることもあれば、持続的に痛むこともある。心臓の痛みの特徴(狭心症・心筋梗塞など): * 痛む場所: 主に胸の中央部や左胸に痛みを感じることが多い。肩や腕、顎などに痛みが放散することもある。痛む範囲が比較的広い。 * 痛みの性質: 締め付けられるような痛み、圧迫されるような痛み、焼けつくような痛み。 * 痛みの誘因・増悪因子: 労作時(運動や階段昇降など)に起こりやすい(狭心症)。安静時にも起こり、持続する(心筋梗塞)。体の動きとはあまり関係なく痛むことが多い。 * 持続時間: 狭心症の場合は数分~15分程度で治まることが多い。心筋梗塞の場合は30分以上痛みが持続し、冷や汗や吐き気、呼吸困難などを伴うことがある。受診先の目安: * 肋間神経痛が強く疑われる場合: 整形外科やペインクリニック。 * 心臓の病気が強く疑われる場合: 循環器内科。特に、心筋梗塞が疑われるような激しい胸痛が持続する場合は、ためらわずに救急車を呼ぶ必要があります。どちらか判断に迷う場合は、まずは内科や総合診療科を受診し、医師の診察を受けるのが良いでしょう。心電図検査や胸部X線検査などを行い、心臓や肺に異常がないかを確認し、必要に応じて専門科へ紹介してくれます。自己判断は危険ですので、胸の痛みを感じたら、早めに医療機関を受診するようにしましょう。