パニック障害の診断何科でどんな検査をする?
パニック障害の診断は、主に精神科または心療内科の医師によって行われます。診断の基本となるのは、詳細な問診です。医師は、患者さんが経験したパニック発作の症状(どのような症状が、いつ、どこで、どのくらいの頻度で起こるかなど)、発作に対する恐怖感(予期不安)、発作が起こりそうな場所や状況を避ける行動(広場恐怖)、日常生活への支障の程度、そしてこれまでの病歴や家族歴、生活習慣、ストレスの状況などを丁寧に聞き取ります。これらの問診情報と、国際的な診断基準(例えば、アメリカ精神医学会のDSM-5など)を照らし合わせながら、パニック障害の診断を下します。パニック障害の診断において、特別な画像検査や血液検査が必須というわけではありません。しかし、パニック発作と似た症状を引き起こす可能性のある他の身体疾患(例えば、心臓疾患、呼吸器疾患、甲状腺機能異常、低血糖など)を除外するために、身体的な検査が行われることがあります。具体的には、血液検査(貧血や甲状腺ホルモンの異常などを調べる)、心電図検査、胸部X線検査などです。これらの検査は、主に内科や、必要に応じて循環器内科、呼吸器内科などで行われることもありますし、精神科や心療内科で初期スクリーニングとして行われることもあります。また、心理的な側面をより詳しく評価するために、心理検査(質問紙形式の性格検査や不安尺度、抑うつ尺度など)が行われることもあります。これらの検査結果と問診内容を総合的に判断し、他の精神疾患(うつ病、全般性不安障害など)や身体疾患の可能性を慎重に除外した上で、パニック障害の診断が確定されます。正確な診断は、適切な治療法を選択するための第一歩です。不安なことや疑問点は、遠慮なく医師に質問するようにしましょう。