妊娠中に、上の子が保育園や学校などからアデノウイルスをもらってきてしまった…そんな時、お腹の赤ちゃんへの影響や、自分自身への感染を心配する妊婦さんは多いでしょう。アデノウイルスは感染力が強いため、家庭内での感染対策が非常に重要になります。まず、妊婦さん自身への感染リスクと胎児への影響ですが、前述の通り、アデノウイルスが胎児に直接的な奇形などを引き起こすという明確な報告は一般的ではありません。しかし、妊婦さんが高熱を出したり、症状が重くなったりすると、間接的に胎児に影響が及ぶ可能性は否定できません。そのため、できる限り妊婦さん自身が感染しないように努めることが大切です。家庭内感染を防ぐための具体的な対策としては、以下の点が挙げられます。* 看病する人をできるだけ限定する: 可能であれば、妊婦さん以外の家族が中心となって、感染した子供の看病をするのが理想です。 * マスクの着用: 感染した子供も、看病する人も、そして妊婦さん自身も、家庭内でマスクを着用するようにしましょう。 * 手洗いの徹底: 家族全員が、こまめに石鹸と流水で手を洗うことが基本です。特に、子供のお世話をした後や、食事の準備前は必須です。 * タオルの共用を避ける: 顔や手を拭くタオルは、個人ごとに分け、こまめに洗濯しましょう。 * 食器やカトラリーの共用を避ける: 感染者が使用した食器は、他の家族とは別に洗い、可能であれば熱湯消毒などを行うとより安全です。 * こまめな換気: 定期的に窓を開けて、室内の空気を入れ替えましょう。 * 汚染された可能性のある場所の消毒: ドアノブ、手すり、トイレのレバー、おもちゃなど、子供がよく触れる場所は、次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤を薄めたもの)やアルコールでこまめに消毒します。 * 感染した子供の便の処理に注意する: おむつ交換などの際は、使い捨ての手袋を着用し、処理後は必ず手を洗いましょう。これらの対策を徹底しても、完全に感染を防ぐことが難しい場合もあります。もし、妊婦さんにアデノウイルス感染症が疑われる症状(高熱、強い喉の痛み、目の充血など)が現れた場合は、速やかにかかりつけの産婦人科医に連絡し、指示を仰ぐようにしてください。