意図しない急激な体重減少は、体の奥深くに潜む病気のサインである可能性があり、決して軽視してはならない症状の一つです。医師の立場から見ても、このような症状を訴える患者さんには、様々な角度から慎重なアプローチが必要です。まず、医療機関を受診された際には、詳細な問診が行われます。いつから体重が減少し始めたのか、どのくらいのペースで減っているのか、他にどのような症状を伴うのか(食欲不振、倦怠感、発熱、下痢、便秘など)、既往歴、喫煙歴、飲酒歴、服用している薬など、多岐にわたる情報が診断の手がかりとなります。次に、身体診察が行われます。全身の状態を視診、触診、聴診によって確認し、リンパ節の腫れや腹部の圧痛、皮膚の状態などをチェックします。その上で、血液検査、尿検査といった基本的な検査が実施されます。血液検査では、貧血の有無、炎症反応、肝機能、腎機能、血糖値、甲状腺ホルモン、電解質などを詳細に調べ、全身の状態や特定の臓器の異常をスクリーニングします。尿検査では、糖尿病の有無や腎臓の状態などを評価します。これらの初期検査で異常が認められたり、問診や身体診察で特定の病気が疑われたりした場合には、さらに踏み込んだ精密検査が検討されます。例えば、消化器系の病気が疑われる場合は内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)、腹部超音波検査、CT検査、MRI検査などが行われます。甲状腺の病気が疑われる場合は、甲状腺ホルモンの詳しい検査や超音波検査が実施されます。がんが疑われる場合には、腫瘍マーカーの検査や画像診断、生検などが検討されます。これらの検査を通じて、体重減少の真の原因を特定し、適切な治療へと繋げることが、患者さんの健康を守る上で非常に重要なプロセスとなります。決して検査を面倒がらず、医師と協力して原因究明に努めることが大切です。
急な体重減少の原因を探る医師が語る検査の重要性