睡眠時無呼吸症候群の疑いがある際、受診すべき診療科を選ぶための大きなヒントは、自分自身の身体的特徴や自覚症状に隠されています。この疾患は、空気の通り道である気道が塞がることが原因ですが、その「塞がり方」によって最適な相談先が異なるのです。もし、あなたが慢性的なくしゃみや鼻水、あるいは鼻詰まりに悩まされており、口呼吸が習慣化している自覚があるならば、まず最初に訪れるべきは耳鼻咽喉科です。鼻の奥にある副鼻腔の炎症や、鼻中隔という仕切りが曲がっていることが原因で鼻呼吸が妨げられている場合、どんなに生活習慣を改善しても無呼吸は解消されません。耳鼻咽喉科では、鼻の通りを良くするための薬物療法や、場合によっては簡単な手術によって気道を確保するアプローチをとることができます。特に、子供のいびきや無呼吸の場合は、アデノイドや扁桃腺の肥大が原因であることが多いため、耳鼻咽喉科が第一選択となります。一方で、自身の体型が肥満気味であり、特に首周りやお腹周りに脂肪がついている自覚がある場合は、呼吸器内科や睡眠専門外来を標榜する内科を受診するのがベストです。このタイプは、仰向けに寝た際に重力で脂肪が喉に沈み込み、気道を押しつぶしてしまうことで無呼吸が起こります。呼吸器内科では、呼吸管理のプロフェッショナルとして、CPAP治療という空気圧で気道を広げる治療法を中心に、減量指導や生活習慣病の管理を並行して行ってくれます。睡眠時無呼吸症候群は、単なる睡眠の問題ではなく、糖尿病や高血圧といった代謝疾患と密接に関係しているため、内科的な視点からの長期的なフォローが欠かせません。もし、鼻に異常を感じず、かつ肥満でもないのに無呼吸があるという場合は、顎が小さい、あるいは舌が大きいといった骨格的な問題が潜んでいる可能性があります。この場合も耳鼻咽喉科での評価が有効ですが、最近では歯科口腔外科でも「スリープスプリント」というマウスピース型の治療器具を作製してくれることがあります。このように、症状の背景にある要因を推測することで、最初の一歩をどこで踏み出すべきかが明確になります。しかし、自分では判断がつかないことも多いでしょう。その場合は、まずは総合的な判断が可能な睡眠外来を併設した内科を訪れるのが、最も失敗の少ない選択と言えます。大切なのは、何科に行くべきか悩みすぎて受診自体を先延ばしにしないことです。どの診療科であっても、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると言えば、適切な検査へと導いてくれるはずです。
鼻詰まりか肥満かによって異なる睡眠時無呼吸症候群の相談先