その日は朝から雨が降っており、急いで駅へ向かおうと階段を下りていた瞬間に足が滑りました。気がついた時には、後頭部に鈍い衝撃を感じ、視界が数秒間真っ白になりました。幸いにも意識はすぐに戻り、自力で立ち上がることはできましたが、これまでに経験したことのないような嫌な汗が背中を伝うのを感じました。頭を打った直後は、たんこぶができている箇所がズキズキと痛む程度で、吐き気もありませんでした。多くの人はこの段階で、少し休めば大丈夫だろうと自己判断してしまうかもしれません。しかし、私はかつて知人が頭部の打撲を放置して、数時間後に急変したという話を聞いていたため、猛烈な不安に襲われました。病院へ行くべきか迷いながらも、次第に頭の奥が重くなるような違和感と、わずかな目眩を感じ始めたことで、受診を決意しました。救急外来に到着すると、看護師さんから受傷時の状況や意識の有無、現在の痛みの程度を細かく尋ねられました。私は、意識が一時的に遠のいたことと、後頭部を強打したことを正確に伝えました。医師による診察では、瞳孔の反応や手足の筋力、バランス感覚のチェックが行われ、念のために頭部CT検査を受けることになりました。暗い検査室の中で横たわっている間、もし脳内で出血していたらどうしようという恐怖で心臓の鼓動が激しくなりました。結果として、幸いにも急性期の出血や骨折は見られず、脳震盪という診断で帰宅を許可されました。しかし、医師からは今後の注意点として、受傷から48時間は決して一人で過ごさないこと、激しい運動や入浴、飲酒を避けること、そして何より症状が変化した場合にはすぐに再受診することを強く念押しされました。帰宅後、医師の言葉通りに安静に過ごしましたが、翌日になると首の痛みや強い倦怠感が現れ、頭を打つという行為がいかに全身に影響を及ぼすかを痛感しました。もしあの時、病院へ行くべきか悩み続けて受診を遅らせていたら、私は一晩中不安で眠れず、精神的にも追い詰められていたでしょう。検査で異常がないことが確認できたからこそ、安心して静養に専念することができました。頭を打った際の恐怖は、目に見える傷の深さだけでは測れません。たとえ大きな異常がなかったとしても、プロの目で確認してもらうことは、その後の安心感に大きく寄与します。自分の体からのSOSを見逃さず、迷ったなら病院へ行くという選択をしたことは、今振り返っても正しい判断だったと確信しています。皆さんも、頭を打った後に少しでも違和感があるなら、それを「気のせい」にせず、迷わず医療機関に足を運んでほしいと思います。
階段で頭を強く打った私が迷わず救急外来を受診した理由と結果